福岡の屋台 しんきろう(蜃気楼)
福岡といえば屋台。
屋台といえば福岡。
それくらい屋台文化は福岡の象徴とも言える。福岡市内には天神を中心に100を超える屋台があると言われている。
屋台には移動式のものとそうでないものがあるが、福岡の屋台は場所が決まっている。昼間は近くの駐車場に屋台が待機し、営業時間になると決まった営業場所に引かれて準備をする。ガスは自前のプロパンガスを利用しているが、水道は近くのビルとの契約、電力は専用の電源をもっているという。
那珂川のそばには屋台が軒を連ねるが、このエリアの多くは観光客向けの屋台。割高なので、地元の人達は行かない。ぼくは福岡に住んでいるわけではないが、よく福岡に行くので、そのときには自分の屋台がある。
「蜃気楼」は渡辺通り沿いにある屋台だ。作りに目新しいものはないし、料理に特異なものはない。だが、それでも通い続ける理由がこの屋台にはある。
屋台の常識はまず飲み物をお願いすること。常連さんは焼酎(米、麦、蕎麦、芋)の水割りかお湯割りをお願いして、酢モツを頼む。大将に席を指定されて腰を下ろすや、まずは焼酎の水割りと酢モツをお願いした。何を隠そう、ぼくはホルモン系は苦手だ。そんなぼくが、この屋台の酢モツは必ず頼む。大将こだわりの酢モツらしい。どこをこだわっているかは、馴染みになってから大将に聞けば、いろいろ語ってくれるだろう。大将はどちらかというとあまり語らない。だが、新鮮でおいしい酢モツは大将のスポークスパーソンだ。
屋台では焼き物がメインとなる。頼み方は二本以上。一本という頼み方は許されない。例外は、最後の一本しか残っていないケースだ。この場合、「○○ふたつください」とお願いすると、「一本しかないけどいい?」と返ってくる。
上の写真はアゴだ。地元の人達はトビウオのことをアゴという。アゴ出汁は福岡ではお雑煮のベースだ。アゴはポピュラーな食べ物だ。観光で福岡を訪れたら、屋台ではぜひアゴを頼んでみよう。それ以外にも、珍しい貝類もあるので、大将に聞いて旬の食材を食べるのもおすすめだ。
ぼくたちは牛肉のステーキが食べたかったが売り切れていたので、代わりに牛タンステーキをお願いした。食べながら大将と話をする。隣では観光客に常連さんの一人がいろいろ話をしている。コーナーには韓国からの観光客もいる。近年、アジア圏からの観光客が屋台にも来るようになった。大将が話すのはストレートな博多弁だが、メニューは英語も用意されている。しっかりとした人にお願いをしたらしく、正しい英語が使われていることを付け加えたい。
おでんもお願いすることにした。おでんは一年を通して屋台のメニューの主力の一つだ。伝統的な屋台なら必ず提供している。ちくわぶは提供していないが(ちくわぶは西日本ではあまり知られていない)、大根、はんぺん、コンニャクなどは定番だ。
気づくと小一時間経っていた。飲んで、食べて、そろそろ次のお店に向かうタイミングだろう。〆はやはりラーメンを食べたい。
屋台でラーメンを食べるのは観光の醍醐味だと思う。だが、これからお願いしてしまうと、ラーメンだけ食べて帰る客と思われる。福岡ではラーメンは〆と相場が決まっているからだ。ラーメンだけ食べたいのなら、それでもいいが、食べ終わったらさっさと退散しよう。そうでないのなら、ラーメンは最後に取っておこう。
蜃気楼のラーメンはシンプルに屋台ラーメンだ。もちろん、豚骨ラーメンなので、スープは豚骨だが、背脂がどぎついわけでもなければ、塩が濃いわけでもない。バランスが取れている。細いスタンダードな麺がこれによく絡む。細い麺はすぐに伸びるから、紅生姜と胡麻を振ったら、写メをすばやく撮って、すぐに食べよう。これで、福岡の屋台の夜は更けていくと気持ちいい感慨に浸れるだろう。
お支払いは現金のみ。お勘定を済ませると、大将の笑顔と視線がぶつかった。いつもありがとう。こちらこそ、いつもお世話になっています。
屋台といえば福岡。
それくらい屋台文化は福岡の象徴とも言える。福岡市内には天神を中心に100を超える屋台があると言われている。
屋台には移動式のものとそうでないものがあるが、福岡の屋台は場所が決まっている。昼間は近くの駐車場に屋台が待機し、営業時間になると決まった営業場所に引かれて準備をする。ガスは自前のプロパンガスを利用しているが、水道は近くのビルとの契約、電力は専用の電源をもっているという。
那珂川のそばには屋台が軒を連ねるが、このエリアの多くは観光客向けの屋台。割高なので、地元の人達は行かない。ぼくは福岡に住んでいるわけではないが、よく福岡に行くので、そのときには自分の屋台がある。
「蜃気楼」は渡辺通り沿いにある屋台だ。作りに目新しいものはないし、料理に特異なものはない。だが、それでも通い続ける理由がこの屋台にはある。
屋台の常識はまず飲み物をお願いすること。常連さんは焼酎(米、麦、蕎麦、芋)の水割りかお湯割りをお願いして、酢モツを頼む。大将に席を指定されて腰を下ろすや、まずは焼酎の水割りと酢モツをお願いした。何を隠そう、ぼくはホルモン系は苦手だ。そんなぼくが、この屋台の酢モツは必ず頼む。大将こだわりの酢モツらしい。どこをこだわっているかは、馴染みになってから大将に聞けば、いろいろ語ってくれるだろう。大将はどちらかというとあまり語らない。だが、新鮮でおいしい酢モツは大将のスポークスパーソンだ。
屋台では焼き物がメインとなる。頼み方は二本以上。一本という頼み方は許されない。例外は、最後の一本しか残っていないケースだ。この場合、「○○ふたつください」とお願いすると、「一本しかないけどいい?」と返ってくる。
上の写真はアゴだ。地元の人達はトビウオのことをアゴという。アゴ出汁は福岡ではお雑煮のベースだ。アゴはポピュラーな食べ物だ。観光で福岡を訪れたら、屋台ではぜひアゴを頼んでみよう。それ以外にも、珍しい貝類もあるので、大将に聞いて旬の食材を食べるのもおすすめだ。
ぼくたちは牛肉のステーキが食べたかったが売り切れていたので、代わりに牛タンステーキをお願いした。食べながら大将と話をする。隣では観光客に常連さんの一人がいろいろ話をしている。コーナーには韓国からの観光客もいる。近年、アジア圏からの観光客が屋台にも来るようになった。大将が話すのはストレートな博多弁だが、メニューは英語も用意されている。しっかりとした人にお願いをしたらしく、正しい英語が使われていることを付け加えたい。
おでんもお願いすることにした。おでんは一年を通して屋台のメニューの主力の一つだ。伝統的な屋台なら必ず提供している。ちくわぶは提供していないが(ちくわぶは西日本ではあまり知られていない)、大根、はんぺん、コンニャクなどは定番だ。
気づくと小一時間経っていた。飲んで、食べて、そろそろ次のお店に向かうタイミングだろう。〆はやはりラーメンを食べたい。
屋台でラーメンを食べるのは観光の醍醐味だと思う。だが、これからお願いしてしまうと、ラーメンだけ食べて帰る客と思われる。福岡ではラーメンは〆と相場が決まっているからだ。ラーメンだけ食べたいのなら、それでもいいが、食べ終わったらさっさと退散しよう。そうでないのなら、ラーメンは最後に取っておこう。
蜃気楼のラーメンはシンプルに屋台ラーメンだ。もちろん、豚骨ラーメンなので、スープは豚骨だが、背脂がどぎついわけでもなければ、塩が濃いわけでもない。バランスが取れている。細いスタンダードな麺がこれによく絡む。細い麺はすぐに伸びるから、紅生姜と胡麻を振ったら、写メをすばやく撮って、すぐに食べよう。これで、福岡の屋台の夜は更けていくと気持ちいい感慨に浸れるだろう。
お支払いは現金のみ。お勘定を済ませると、大将の笑顔と視線がぶつかった。いつもありがとう。こちらこそ、いつもお世話になっています。
スポンサーサイト
| ホーム |